デジタル化など社会を取り巻く環境の変化により、企業はこれまで以上に顧客価値にフォーカスすることが重要になっています。まず変化する顧客のニーズ、課題に組織として目を向け、深く理解しなければなりません。顧客だけでなく競合環境の変化スピードが上がる中、、顧客に提供する価値を継続的に進化させなければなりません。縦割り組織で各々が個別最適を目指すのではなく、組織全体で顧客価値にフォーカスしなければ、継続的に価値を提供することは難しいでしょう。
顧客価値にフォーカスする組織へ変革する
顧客価値によりフォーカスする組織への変革するには、何よりも経営トップの覚悟が重要になります。既存の概念を打破し、組織を生まれ変わらせるためトップマネジメントの強い支持とコミットメントによって開始されなければなりません。トップは、顧客価値を第一に考えるという考えに完全にコミットし、このメッセージを全メンバーに明確に伝えなければなりません。
次に顧客を真に理解しなければなりません。自社の製品やサービスについて、満足度、課題だけでなく、顧客の生活、活動全般における位置づけを把握することが重要です。また、検索や認知から使用、評価にいたるまでの顧客体験を一気通貫で理解しなければなりません。
そして、顧客にとって価値を提供できているかを見極めるために目標を設定し、マネジメントしていきます。
アウトプットではなく、アウトカムに目を向ける
自社の製品やサービスの顧客にとっての価値を提供できているかを見極めるために、単なるアウトプット(結果)ではなく、アウトカム(成果)を測定しなければなりません。アウトカムは、顧客が製品やサービスを実際に使用した経験から成果を測定するための、顧客への価値、影響を把握できます。一方、アウトプットは、製品やサービスの物理的・有形的なアウトプットのみを測定し、顧客経験や顧客への影響を考慮できません。
アウトカムを測定することにより、組織は製品やサービスの有効性に関する貴重なインサイトを得ることができます。顧客の経験を把握し、組織は製品やサービスの実際の価値をよりよく理解し、改善が必要な領域を特定することができます。これにより、組織は製品やサービスを調整し、顧客に価値を提供できるように改善することができます。
アウトカムの測定は、組織が潜在的な成長とイノベーションの領域を特定するためにも有益です。顧客の経験を把握することで、組織は改善の機会を特定し、顧客満足度を高めるための戦略を立てることができます。組織は競争に打ち勝ち、市場での競争力を維持することができます。
OKRを用いて、顧客価値にフォーカスする
組織が顧客価値を上げるために、OKRは有効な手法です。顧客価値志向のアウトカムでOKRを設定します。アウトカムベースのOKRを運用することで、顧客価値にフォーカスした戦略や取り組みを確実に実行できます。その結果、顧客満足度やロイヤリティが向上し、顧客エンゲージメント、競合優位性が高まります。
また、OKRを運用することで、顧客価値提供に向けて部門を超えたコラボレーションを促進できます。OKRは、組織全体の戦略に沿った目標を設定・追跡するためのフレームワークであり、チームや部門が共通の目標に向かって協力するために活用することができます。これにより、サイロをなくし、全員が協力して素晴らしい顧客価値を提供することが可能になります。