チームには多くの人が存在し、良いチームワークが良い業績を生むこともあれば、悪いチームワークが悪い業績を生むこともある。
チームの個人個人の力の総和が最大化することが最高のチームワークと定義しよう。では、チームの状態がどうなっていれば真のチームワークと言えるのか。
真のチームワーク
ピッチャーは、味方のバッターがいくら打てなくても抑え続けてチームを勝たせる!と考え、
バッターは、味方のピッチャーがいくら打たれてもそれ以上に点を取ってチームを勝たせてやる!と考える。
さらにお互いがそう考えてると信じ合えていることこそが、真のチームワークである。
誰が言っていた言葉かは忘れていたが、野球のチームワークについて語ったこの言葉がチームワークの真髄を表している。
ただ仲が良い、職場の雰囲気だけが良いことがチームワークの良さではない。
全員が自分も含むチームのため、最高の貢献を「自発的に」行えるチーム、これは野球に限らず会社でも共通する。最高のパフォーマンスを惜しみなく自発的に行える、そしてそのパフォーマンスは確実にチームの成功につながることこそが、真のチームワークと言えるだろう。
では、リーダーはどのように職場のチームに真のチームワークを生み出し、マネジメントしていけばよいのだろうか。
チームの目標を明確に定義し、共有する
野球の例ではチームの勝利という誰もが分かりやすい明確な目標が存在する。
しかしながら、仕事においては「グローバル企業になる」「イノベーションを起こす」などなど、あいまいな定義になっていることがある。
ゴールがあいまいでは、全員でその達成を協力して目指すことは難しい。
そこで、チームの目的である成功を目標のカタチで明確に定義することが重要となる。さらに目標を共有し、常に目指し続けなければならない。
全員の意識を一方向に向けるには何より、リーダーがどの方向かをしっかり決めることである。そして、方向が定まればその方向を指し示し、迷わず外れず懸命に向かい続ける必要がある。
チームの状況を共有する
ピッチャーが味方の攻撃を全然見ていなかったらどうなるだろうか。
自分は一生懸命投げているのに、バッターは本当に点を取っているのか?と疑心暗鬼が生じるだろう。
実際はピッチャーも攻撃回の様子は見ているし、スコアボードも知っている。
しかしながら、会社においては隣の人がどのようなことをしているか、本当に頑張っているのか、状況を見ることもなければ知る機会もないことも多い。
チームの状況をお互いに知ることは不要な疑心暗鬼を減らすとともに、チーム内に競争関係を生むことになる。足の引っ張り合いのような競争関係は当然よくないが、お互いを引っ張り上げていくような競争関係は個人にもチームにもプラスである。
また、上司からの監視は怒られたくないからと言う気持ちが生じるが、同僚との相互監視は、自分も頑張らなければという自発性につながることが多い。
定期的に成功を喜び、失敗を悔やむ
決算日は人為的に設定されているだけで、実際は決算日もその翌日も変わらず同じビジネスをしている。
にもかかわらず決算があるのは、区切りを設けなければ実態が分からないからである。
人間のやる気も区切りをつけなければ持続しない。
熱く燃えているつもりでも、区切りなく延々と続くと疲弊が起こるし、失敗しても成功しても同じように日々がながれればその味は薄くなっていく。
区切りごとに成功したら喜びを、失敗したら悔やみをチームで味わい、また次に向かおうと決意する。このモチベーションをつなげていくことが、チームワークを長続きさせるには必要である。
そして、息抜きや楽しいイベントを区切りとして行うことも、次への活力となる。
飲みニケーションを理由にした頻繁に飲み会ばかり開いても表面的なチームワークしか向上しないが、区切りを意識できるように飲み会や決起会などのイベントがあることは、真のチームワークに近づくための有効なことも事実である。