株式会社タバネル(本社:大阪府大阪市、代表取締役:奥田和広)は、全国の入社3年以内の若手社員(有効回答数633人)に「若手社員の意識とコミュニケーション調査」を実施したしました。
調査結果トピックス
1.自分の仕事にやりがいを感じている若手社員は43.8%
2.若手社員のやりがいは年々減少する。
3.若手社員の入社推奨意向、継続勤務意向、成長期待には、「やりがいの有無」によって大きな差が生じる。
4.若手社員の「やりがい」には目標理解とコミュニケーションが大きく影響する。
5.上司からの高頻度のフィードバックが若手社員の「やりがい」に好影響を及ぼす。
調査概要
- 調査の方法:インターネット調査
- 調査対象者:2019~2021年に大学卒業し新卒入社した正社員
- 有効回答数:633名
2019年4月新卒入社212人 2020年4月新卒入社209人 2021年4月新卒入社212人
男性 309人 女性 324人 - 調査実施日:2021年7月30日~2021年7月31日
自分の仕事にやりがいを感じている若手社員は43.8%
全国の入社3年以内の若手社員に「自分の仕事にやりがいを感じている」に対しての意識を伺いました。その結果、「あてはまる」13.7%、「ややあてはまる」30.0%の合計43.8%の人があてはまると回答しました。
若手社員のやりがいは年々減少する
「自分の仕事にやりがいを感じている」に対して「あてはまる+ややにあてはまる」と回答した人の割合が、2021年4月入社の会社員では48.1%に対し、2020年月の2021年4月では44.5%、2019年4月入社では38.7%でした。
調査は7月末実施のため、入社約4か月で「やりがい」を感じている新入社員は48.7%と約半数いますが、3年目になると約10%マイマスになっています。
この結果から入社からの年数を経るほど、やりがいを感じる割合が減ることが分かりました。
若手社員の入社推奨意向、継続勤務意向、成長期待には、「やりがいの有無」によって大きな差が生じる
「自分の仕事にやりがいを感じている」に対して「あてはまる+ややあてはまる」と回答した人(以下、やりがい有)と、「どちらとも言えない」「あまりあてはまらない+あてはまらない」と回答した人(以下、やりがい無)と若手社員の意向について比較しました。
「知人や友人に今の会社への入社を勧めることができる」に「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した割合は、やりがい有とやりがい無で36.6%の差となりました。同様に「現在の会社で今後も勤め続けたい」では43.1%の差、「現在の会社で自分の将来の成長が期待できる」では43.6%の差となりました。つまり入社推奨意向、継続勤務意向、成長期待には、「やりがいの有無」によって大きな差が生じることが分かりました。
若手社員の「やりがい」には目標理解とコミュニケーションが大きく影響する。
やりがいの有無の要因を探るため、目標の理解やコミュニケーションについて、やりがいの有無で比較しました。
「仕事における自分の目標は明確である」に「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した割合は、やりがい有とやりがい無で47.2.%の差となりました。「自分のチームの目標」「会社全体の目標」も合わせて、目標の理解がやりがいの有無で大きな差が生じます。また「自分の発言、意見をきいてもらえる」、「上司と自分のコミュニケーションは良好である」といったコミュニケーションに関する項目についても、やりがいの有無で大きな差が生じます。
またエンゲージメントの計測に使われる主要な質問項目と言われる入社推奨意向でも同様の傾向となりました。
目標理解とコミュニケーションが、やりがいとエンゲージメントに大きく影響することが分かりました。
上司からの高頻度のフィードバックが若手社員の「やりがい」に好影響を及ぼす。
上司からの若手社員に対してフィードバックが週1回以上(週2回以上+週1程度)ある割合は33%でした。
また上司からのフィードバックの頻度ごとにやりがい有の割合を比較すると、「週2回以上」64%と最も高く、頻度が減るごとに割合が減ることが分かりました。上司からの高頻度のフィードバックが若手社員の「やりがい」に好影響を及ぼすことが分かりました。
また、「自分の仕事を振り返る機会」の頻度についても、やりがい有無と同様の傾向であることが分かりました。
本調査からの考察
若手社員のやりがいやエンゲージメントが向上するには、目標理解とコミュニケーションが重要です。目標理解は本人の目標はもちろんですが、チームや会社の目標理解も重要です。
つまり本人の振り返りを伴う高頻度のフィードバックを行い、意見を聞いてくれる上司と良好なコミュニケーションによって、目標を正しく理解し、やりがい、エンゲージメントの向上がもたらされると考察されます。
個人目標を設定するだけでなく、全社やチームの目標を理解を促進し、さらには高頻度の良好なコミュニケーションを行いましょう。
OKRは「コミュニケーション・ツール」と言われることもありますが、目標理解と適切なフィードバックのためには適切な仕組みとなります。OKRの適切な運用は、若手のやりがい、エンゲージメントの向上をもたらすでしょう。