中国での起業経験のある2人が代表で設立
―まずは、日本楽旅株式会社の事業内容について教えてください。
我々は、旅行における様々な領域で、お客様が新しい感動と出会うことのできるサービスを提供し、これまでにない旅行の在り方を創っていくことを目指しています。
現在は主に2つの事業を運営しており、1つ目は訪日中国人向けの宿泊予約サービス、もう1つが中国で広告、プロモーションを行うインバウンド・マーケティングです。
訪日中国人向けの宿泊予約サービスについては、現在ローンチに向けてサービス開発中ですが、当社事業の主軸にしていきたいと考えています。
―設立の経緯を教えてください。
もともと私が2013年中国にて日本ファッションのセレクトEC事業を創業していました。その会社は、2016年に現地法人の代表に事業譲渡しています。もう一人の当社の代表である王も中国での起業経験があり、月数万人のViza発行を取り扱うなどしております。私たち2人の経験、資産、コネクションを活かしたビジネスで世の中を変えたいと考えていく中で、2018年2月に日本楽旅株式会社を設立しました。
組織は全員が同じ方向を向かなければいけない
―設立前にも豊富なビジネス経験をお持ちですが、組織運営やマネジメントについて重視している点をお聞かせください。
自分1人では何もできないので、組織全員で力を合わせることが必要です。そのために最も大切なことは、「組織は全員が同じ方向を向かなければいけない」と言うことです。同じ方向に向いて力を合わせるから、大きな成果が生まれると信じています。
実際に、入社前から応募者の方には、自分たちの方向性、自分たちがをやりたいことをしっかり伝えるようにしています。さらに、応募者の方が何をしたいのかをしっかり聞かせていただきます。そこが合わないと、そもそも同じ方向を向くことができないので、非常に重視しています。会社がやりたいことを一方的にやってください、というスタイルではなく、会社がやりたいことと、個人がやりたいことが同じになっていくことを目指しています。
そして、入社した後も、一人ひとりが個性も能力も違いがありますので、放置していると方向性にバラツキが生まれてしまいます。そのため、ミッション、バリューを明確に、仕事のロードマップを適切に設定します。
また、多様なメンバーがやる気をもって働けるフラットな組織で、情報格差のないオープンなコミュニケーションを心掛けています。
OKRは同じ方向を向くための仕組み
―そのような組織を目指す中で、OKRを導入した理由を教えてください
OKRは全員が同じ方向を向くための仕組みとして導入しました。MBO、KPIなど他にも目標管理手法はありますが、OKRが方向性を合わせる点では優れていると考えています。
多くの日本企業が、MBOやKPIに沿って数字を用いて、上司が部下を管理する傾向が強いですが、数字だけでは無味乾燥で働く人のモチベーションは上がりにくいと感じています。
その点、OKRはObjectivesでメッセージ性のある目的を定めるため、数値管理に比べモチベーションが上がります。また、上司が部下に一方的に目標を押し付けるのではなく、OKRを一緒に作り上げていくことで、チームが強くなっていきます。
―実際にOKRを導入されて、どのような効果を感じていますか。
やはり方向性が明確になることです。1人1人が自律的に動く組織を作っていきたいと考えており、上司からの指示で動くことはしたくありません。自律的に動くことで創造性が発揮され、スピードも上がるからです。しかしながら、判断軸や方向性が明確でなければ、組織がバラバラになってしまいますので、その判断軸としてOKRは効果的だと感じています
―OKRの運用について工夫されていることをお聞かせください。
当社ではチーム単位までのOKRを設定し、個人ではOを定めていません。なぜなら、OKRはチームの方向性を統一するものだと捉えています。個人の目的はそれぞれが持っていますし、実務ではたくさんの業務を抱えているのでObjectivesを絞るのは難しいです。そのため、個人単位では目標数値をもつことが健全だと考えています。
また、導入間もないですが、組織としてOKRを今以上に定着させていきたいです。目標を決めただけでは当然意味がないので、日々振り返ることが大切だと考えています。週一回チームごとにOKRを振り返る仕組みで、定着を図っていきます。
ミッションを実現する組織をつくる
―今後の成長に向けて、どのようなことに取り組んでいますか?
当社のミッションは「reinvent travel experience, create a new value for life.
旅行体験を再発明して、生活に新しい価値を創る。」であり、これを実現していきたい。今は訪日中国人向けのサービスを行っていきますが、地域、宿泊などにこだわらず、全世界で旅行体験に新しい価値を創ることを本気で目指しています。
そのためには世界中の人が自由に働ける組織を作り、優秀な人が最大のパフォーマンスを発揮できることが必要です。そのために組織のカタチも常にアップデートしていきたいと考えています。
OKRだけでなく、会計情報の公開やリモートワークの導入もその一環です。情報公開することで、組織内の情報格差をなくし、誰もが同じレベルで意思決定をできるようにしています。
―最後に一言お願いいたします
当社はこれまで培ってきた経験、資産、コネクションが揃っており、ミッションを実現できると確信しています。ミッションに共感していただき、一緒に新しい旅行体験を創っていきたい方には、ぜひジョインしていただきたいです。自由で自律した働き方で一緒に事業を成長させていきましょう。
(プロフィール)
日本楽旅株式会社 代表取締役 粟田 翔太氏 1986年兵庫県生まれ。新卒でIT系ベンチャーに入社し法人営業を経験。会計事務所で勤務した後に、都市開発のマネジメント会社に役員として参画。2013年中国にて日本ファッションのセレクトEC事業を創業し、2016年に現地法人の代表に事業譲渡。2016年に日本でデザイン会社を創業し、国内でストリートウェアのブランドを展開。2017年にヘルスケアのブロックチェーンプロジェクトを創設。2018年に日本楽旅を共同創業し、代表取締役に就任。日本側の責任者として、プロダクトの開発、事業提携などを担当。 |