「何も言われない」は、こんなにも孤独だったのか
昔、ミーティングで報告したとき、誰からもコメントがないまま議題が次に進む。
「良かったのか悪かったのかもわからない」
全員が納得していたのかもしれません。
でも、“何も言われない”ことがこんなにも不安にさせるのかと、ふと気づく瞬間がありました。
OKRのチェックインでは、「沈黙」がチームを弱くする
OKRを運用するチェックインの場面でも、よく見かける光景です。
- 毎週のチェックインで「進捗◯%です」と報告する
- 他のメンバーは黙って頷くだけ
- 上司が少しコメントして終了
- OKRはチームで目指す目標のはずなのに、報告が終わっても反応がない。
- 誰からも声がかからない。
その沈黙が続くと、「これって私だけの目標?」「誰か見てる?」「みんなに報告する意味あるの?」と、気持ちは少しずつ離れていきます。
チームの“推進力”は、メンバー同士のフィードバックから生まれる
「目標が進んでいるかどうか」は、数字だけでは測れません。
誰かの言葉が、誰かの背中を押すことだってあるんです。
たとえばOKRのチェックインの場で:
- 「前よりだいぶ整理されてて、分かりやすくなったね」
- 「その動き、うちのタスクにも関係してきそう」
- 「忙しそうだけど、なにか手伝おうか?」
こうした何気ないやりとりは、チームが“他人事”から“自分たちのこと”へと変わるきっかけになります。
それは、上司のコメントだけでは生まれない空気です。
メンバー同士のフィードバックこそが、チームの推進力になる。
フィードバックは「評価」ではなく、「協力」の表れ
「フィードバックしなきゃ」と思うと、つい構えてしまいますよね。
でも、立派なアドバイスや完璧なコメントは必要ありません。
「へぇ、そう進めてるんですね」
「そこまで考えてなかったな」
「次の報告、ちょっと楽しみです」
……そんな一言だけでも、「見てくれている」「気にかけてくれている」という安心感が伝わります。
とくに上司からだけでなく、仲間からの声かけがあることで、信頼は横に広がっていくのです。
フィードバックを贈り合う文化が、OKRをチームに根付かせる
OKRがうまくいかないとき、原因は目標設定だけじゃありません。
- チェックインが「ただの報告会」になっていないか?
- メンバー同士で声をかけ合っているか?
- 行動変化につながるフィードバックが行われているか?
OKRは、数字を追うだけの仕組みではなく、チームの連帯感と協力を育むものでもあります。
そのためには、上司からのコメントだけでなく、日々の仕事をともにしている仲間同士で、フィードバックを贈り合うことが欠かせません。
最後に:「何も言われない」は、安全じゃない
沈黙のミーティング
反応が返ってこない報告
個人で完結していく目標
それらはすべて、「協力関係が断たれつつある」サインかもしれません。
OKRは、チームで成果を出すための仕組み。
だからこそ、「誰かが何かを言ったら、誰かが何かを返す」。
その文化が、チームを、そしてOKRを、躍動させます。
次のチェックインでは、ぜひとなりのメンバーに、ひとことフィードバックを贈ってみてください。