OKR(目的と重要な結果指標)は、導入、運用が適切になされれば、大きな価値をもたらすことは、Google、Intel、そしてその後に続く多くの成功例からも分かります。
しかしながら、残念ながら、OKRを導入しようとしても、各部門に落とし込む段階で運用に失敗してしまう組織があるのも事実です。
部門への導入がOKRの成否を左右する
OKRがその成果を発揮するためには、部門ごとにOKRが反映され、そこで運用がしっかりされることが必要です。
OKRは組織全体の目標を達成するためのものでありますが、当然そのためには部門、チーム、個人が具体的な実行に落とし込めて初めて達成できるのです。つまり全社だけでなく組織、チームの戦略と戦術を具現化すべきなのです。そして戦略と実行は、本質的には目標設定により管理されるものでありますので、これらがない状態は前の見えない霧の中を走っているくような状態になります。そのためOKRは全社で導入、運用するだけでは不十分で部門で正しく導入、運用されて、その成果が発揮されるのです。
多くの組織で、経営戦略と戦略目標は通常一年単位で立案されますが、戦略を実現し素早い検証と修正をするために、OKRは四半期での設定、運用を推奨しています。
そして多くの場合、全社レベルで戦略を定義し、実行は部門、チームが担っています。ですので、実行を担う各部門より積極的に達成に向かうようにOKRが設定、運用されることが不可欠なのです。
部門のOKRが成功するために
多くの場合、OKRの導入時にはこのことを理解しているため、少なくとも設定段階では部門、チームに落とし込みが行われます。しかしながら、いざ開始すると、正しく運用が行われないことがあります。
運用がうまくいかない最大の理由の一つ目は、部門の中で定期的なフィードバックが行われないことです。当然、組織のリーダーはスケジュールが忙しく、フィードバックを定期的にを持つことがないがしろになります。そうではなく、最初はトップからの命令ベースでも構わないので、毎週(または隔週)のフィードバックを行うことでOKRが正しく運用される状態を早く作り上げることです。そしてそのためには、トップ自身が部下に同様の周期でフィードバックを行うことがが大切です。
もう一つの運用失敗の要因は、OKRに設定された項目以外に注力してしまうことです。つまり、緊急だが重要でない課題に労力を奪われ、いつの間にか設定時にフォーカスした重要項目が後回しになっていくのです。この解決策もまた、高頻度のフィードバックでOKRを常に意識する習慣をつけることに他なりません。
OKRはすべてのチームに方向性と達成感を与えます。しかし、彼らはOKRの範囲外にあるものに対しては「いいえ」と言っている理由でもあります。すべてのチームがOKRを作成した場合、その四半期に唯一の作業であるかのようにOKRプログラムを確実に成功させ、組織がその戦略を実現するのを助けます。
OKRを落とし込むためのチェックリスト
全社から組織にOKRを落とし込みをするときは、次の点をチェックリストを確認してください。
- 部門のOKRは全社のOKR達成につながっているか
- 部門のOKRは部門がその四半期を達成するための最重要な項目を反映しているか
- OKRの進捗状況は毎週更新されるか
- 毎週(または隔週)でフィードバックが行われる仕組みが整っているか