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変化に対応する戦略のためにOKRをどう活用するか?

OKRは1年間ではなく、四半期毎に設定するので、より高速に目標管理サイクルを回します。その結果、組織のスピードは高まるのです。

しかしながら、四半期ごとに目標管理を使用することで、長期的な視点を失い、3か月で達成できることだけに専念してしまうことでOKRの本来の威力を発揮できない企業があります。

長期ビジョンの確認から始める

戦略を立てる際に「短期的」な戦略と「長期的」な戦略が必要になります。短期的視点で目先の利益を獲得することは重要ですが、長期的視点で今後の成長戦略につながるに打ち手も不可欠です。

OKR自体が短期の目的(Objectives)に本当に近づいているかを重要な結果指標(Key Results)で計測しているように、長期的な目的に対しても近づいているのか、を常に確認する必要があります。

つまり、企業の長期的な目的、つまりビジョンを年度および四半期の戦略を立てる際に必ず確認することから始めることが、よい良い戦略を立てる第一歩となります。

テストの実行をOKRに盛り込む

長期的な戦略を立てる際に、問題となるのが将来予測の不確実性です。というよりは、将来の変化を正しく予測することは不可能です。

変化の予測は不可能であることに対する対応策は二つしかありません。

  1. 変化しないものを確定させる
  2. 変化するものをテストする

変化しないものを確定させる

正確に言えば、変化しないと言い切れるものはないのですが、すでに実証済みで少なくとも当面は変化しない、もしくは変化が小さいと考えらているものを明確にすることです。

つまり、検証された事実を根拠を戦略に盛り込み、そしてOKRに落とし込みます。

しかしながら、検証された事実のみに基づく戦略は、長期的な視点を失わせることになります。なぜなら、変化すること自体から目を背けているため、現状維持か熟練による上達しか望めないからです。

変化するものをテストする

そこで必要なことが、検証はまだできていない予測困難なもの、つまり変化するものをいかに戦略に織り込むかということです。

長期的に見て必要な項目をテストしていくことを短期的な戦略に織り込んでいくことです。それを実行するためにはOKRの中の一部にテスト項目を必ず盛り込む、そうすれば短期の目標が、長期目的の実現に向かうことを常に意識することができます。

バランスが必要

気を付けなければいけないのは、テストだけで戦略を立ててはいけないということです。テストだけで構成された戦略は実証された事実だけで戦略を立てることよりも危険性が高いです。なぜなら、短期的な利益を失うばかりか、テストである以上は当たるも当たらないも分からないためです。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実際には企業の現場では非常に多いのです。〇〇が最近増えているから、思い切って○○シフトしよう、などと戦略の舵を一気に切ってしまうということはよく目にします。

ただしくは、○○シフトするためのテストを短期間で検証し、事実と仮説のバランスをとる戦略を策定できるようになることです。

前四半期のOKRだけではなく長期目的を見る

OKRは戦略策定をするものではなく、戦略を落とし込み実行するためのフレームワークです。そのため、戦略が長期を見ている以上、OKRも長期目的も見なければなりません。

これは言うはやすい、行うは難しですが、次のチェックリストが参考になります。



  • 前四半期のOKRと同じ内容でないか?
  • OKRにテスト項目が入っているか?
  • テスト項目は実行すべきタスクと期限が明らかか?


ドラッカーは『マネジメント』の中でこのように述べています。

イノベーションを行なう組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる

つまり過去を捨てることで、成長につながる変化が生まれるということです。過去のOKRに引きずられていないかを、チェックするとともにテスト項目を必ず入れていくようにしましょう。

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