1on1はマネジメントにおいて強力なツールであります。そして、1on1は上司にとって重要なだけではなく、部下にとっても重要なものです。部下は上司との1on1をより効果的にするために何を準備すべきでしょうか。
自分の現状を整理する
「先週の売上は〇円でした」「今週のタスクは忙しかったのでまだ終わっていません」
このような会話で現状を報告していないでしょうか。当然これらの仕事の現状は上司と共有する必要がありますが、これだけでは不十分です。なぜなら、これだけであればメールで短い文章を送ればよいので、わざわざ時間を割いて1on1を実施する必要はないからです。そのため、表面上の現状だけでなく、しっかりと現状を分析し整理しておく必要があります。
その際に重要なことが、事実ベースでの整理を行った上で、見解を付け加えるということです。事実ベースの整理なしの見解は、多くの場合感覚的なものになってしまい正しい対策に向かわないからです。また仮に正しい対策に向かうような見解であったとしても、上司は理解することが難しくなり、余計な時間や労力が必要になります。
上司との1on1では様々な質問を投げかけられることが多いです。しかしそのミーティングの前に自分自身で「なぜ?」「ほんとに正しいのか?」「他にどんな可能性が考えられるのか?」などの質問を自問自答することで現状把握に深みが増します。
現状の打開策を具体的に提案する
「引き続き頑張ります」「来週こそは必ず達成します」
気合が十分なことは伝わりますが、これでは来週も今週と同じ結果になります。(今週全然頑張っていない場合のみ結果が向上する可能性はありますが。。。)
気合があることは重要なのですが、必要なことは来週の結果を変える具体的な打開策です。そして、打開策は部下自身で考えることに意味があります。
また打開策は「報告する」のではなく「提案する」ことが大事です。報告のための打開策には意味がありません。本当に成果が出るイメージがあるのか、自分で実行できるのか、をしっかり考えたうえでこの打開策を自分でやりたいという思いを上司にぶつけることが「提案」になります。
上司とのミーティングを行う以上、準備し提案した打開策が変更になる可能性はありますが、それでも自分自身で考えなければなりません。そうするうちに上司が求めること合致したうえで、自分のやりたい方法、得意なパターンが見つかってくるのです。
本当の障害を改めて考える
自分の仕事が思うようにいかないときに、そこには障害が存在します。上司との1on1の中では、その障害を明らかにし、障害を取り除くため協力を仰ぐことも必要です。
しかしながら「時間が足りない」「他部署が動いてくれない」「予算が足りない」などなど様々考えられる障害が、本当に重要な障害なのでしょうか?本当の障害かどうかを確かめるために3つの質問を自答していみましょう。
①本当にその障害が取り除かれれば、仕事は順調に進みますか?
個人的、心理的に嫌なことと仕事上取り除かなければいけない障害は別であることがあります。また仮に障害だとしても取り除く労力に比べ、効果が薄いこともあります。そのような障害かどうかを確認する必要があります。
②その障害以外で大きな障害は何ですか?
障害は一つでないことが多いです。しかしながら自分の感情は一度見つけた障害にとらわれがちです。そうならないためにも他に大きな障害がないか、確認すべきです。そのようにして発見した別の障害は案外簡単に取り除けることもあります。
③その障害はあることが前提で考えなければならないのではないですか?
極端な例ですが、「冬は寒いから半袖シャツは売れない」という場合、冬の寒さは「障害」ではなく「前提条件」です。このようなものは障害として考えてはいけません。