人材マネジメントは複雑化を増している
企業の人材マネジメントは、これまで以上に複雑で困難になっています。
従業員の担う業務は複雑化し、IT技術の発展、働き方の多様化ににより、働く場所、時間ひいては働く会社でさえ過去のように制限されたものではなくなっています。
当然従業員は企業にとって重要なリソースですが、他のリソースと同じではありません。他の経営リソースのように管理、統制すればパフォーマンスを維持できるものではないからです。さらに多くのマネージャーは、パフォーマンスの維持だけではなく、従業員を育成し成長させることを求められます。
人は成長できる
以前は人は成人に達すると脳が成長しなくなると考えられていましたが、近年さまざまな科学的調査から成人後も脳が変化、成長することが証明されています。
脳は新しい情報などに対して、新しい神経回路を作ることで成長が続きます。そのため、積極的に新しい様々な考えや刺激を受ける経験をすることで、より良い成長につながります。
ルール通りの仕事、前例踏襲主義での業務などに陥いると、従業員は新しい経験、刺激を受ける機会をなくすことになります。また、困難、ストレスなく達成できる範囲内での目標を与えられると、刺激のない状態に陥り、成長しないことになります。
部下を育成することはマネージャーの責任であり、新しい経験を積ませることは成長の大きな要因であることを常に意識しましょう。
新しい経験に困難はつきものである
新しい経験が成長につながるのだが、新しいが故に困難が待ち受けている。
部下が困難に陥っているときに、マネージャーの状況は以下の4つです。
- 部下の困難に気づいていない
- 部下の困難に気づいているが、確認しない
- 部下の困難に気づき確認するが、サポートしない
- 部下の困難に気づき確認し、サポートする
「1.部下の困難に気づいていない」はマネージャーとして一番問題のある状況だが、残念ながらかなり多く見受けられる。定期的に部下と1on1で面談の機会をもつことで、部下の進捗を管理するだけでなく定期的に言動や表情を確認することで防ぐことができます。
「2.部下の困難に気づいているが、確認しない」は、実は部下にとっては「1.部下の困難に気づいていない」と同じなのです。気づいていることを知らせるために、確認することは部下が孤独に泥沼の精神状態に陥ることを防ぐとともに、本来困難である状況を部下が気づいていないことも確認できます。
そして、残りの2つですが、「3.部下の困難に気づき確認するが、サポートしない」が多くの場合マネージャーとして正しい選択となります。もちろん困難の大きさや状況によってはすぐにサポートすべき場合もありますが、多くはマイクロマネジメントになります。
部下には本当にピンチになったら上司がサポートしてくれるというセーフティネットがあることを認識させた上で、成長のために困難に立ち向かわせることで、部下の成長につながります。
この場合の本当のピンチは、部下の精神状態だけでなく業績に与えるインパクトもありますので、常に確認が必要です。
1on1ミーテイングを定期的に実施することで、部下の困難を見極め適切なサポートをしていきましょう、