OKR導入企業インタビューVol.2「世界一効率的な代理店を目指す」開発部門のOKRとは(株式会社カルテットコミュニケーションズ 常務取締役CTO金本貴志氏)

 

名古屋に本社を置き、リスティング広告事業で業績を伸ばしている株式会社カルテットコミュニケーションズ。OKRを導入し更なる成長を目指している開発部門の責任者である同社常務取締役CTO金本貴志さまにお話を伺いました。

中小企業マーケットを意識したサービスで成長

―まず御社の事業内容についてお聞かせください。

当社はリスティング広告と呼ばれる運用型のWeb広告を専門に取り扱う代理店を営んでいます。リスティング広告とはYahoo!やGoogleで検索する時に出てくる広告のことで、この広告枠を上手く活用して、限られた予算の中でより多くのクリックやコンバージョン(サイト上でのお問い合わせや購入などの成果)を獲得するには、日々広告の管理画面で様々な設定を細かく調整する必要があります。そのような運用業務を広告主さまに変わって行うことが代理店としての事業になります。

一方で、運用業務を効率化するためのツールを自社開発してWebサービスとして展開もしています。それが「Lisket(リスケット)」というサービスです。もともとは自社の運用業務を効率化するために開発したツールでしたが、他社の広告運用者の方々にも広く使っていただけるよう、2012年からWebサービス化しました。

現在は、リスティング広告運用代行とLisketの開発・運用が事業の二本柱となっています。

―2009年の創業以来、業績を伸ばしてきていますが、成長してきた要因を教えていただけますか?

創業は2009年、会社設立は2011年になりますが、2018年7月期で従業員数が役員含めて約60名、売上が約25億円(広告取扱高含む)になっています。

ここまで売上が伸びてきた要因は、拡大するリスティング広告市場を支えている中小企業の参入に合わせた事業展開をしてきたことにあります。

リスティング広告の市場では、大手クライアントの数や予算はすでにほぼ飽和状態にあり、市場の伸びは中小企業の参入によるものです。しかしながら、大手広告代理店は大手クライアントに対して最適化されているため、取引規模の小さな中小企業を敬遠しがちです。そこで中小企業にフィットした代理店が業界全体で求められている中、当社はリスティング広告事業を立ち上げた2012年当初から中小企業マーケットを意識してサービスの体制を作ってきました。

 

―中小企業に特化していく中で取り組まれたことはありますか?

1つは、Lisketを開発して「運用そのもの」と「運用者の教育」の両方を効率化したことです。広告予算の少ない中小企業さまの案件でもきちんと利益を出せるようにならなければならなかったため、運用業務の効率化を図るためにLisketを自社開発しました。さらにLisketによって運用業務を平準化することで、運用者の教育をも効率化することができ、新人からでも3〜6ヶ月程度で運用者として前線に立ってもらえるような教育環境ができました。

また、当社のリスティング広告運用代行事業の拡大を支えるもう1つの特徴として、Web制作会社さまなどに当社のパートナーになっていただくパートナー制度というものがあります。例えばHP制作を得意とする会社さまがクライアントから自社のメイン事業ではない広告運用を求められることがあります。そういった場合の広告運用をパートナーさまに代わり当社で担当するというのがこの制度で、現在では全国で約500社とパートナー提携を結んでいます。

業績が伸びていく中で社員数も増えてきましたが、採用の際に当社のカルチャーにマッチするかどうか?という視点は大事にしています。もちろん同じタイプの人だけでは組織としては脆弱になりますしイノベーションも生まれにくくなるので、多様性も同じくらい重要だとは考えています。しかしながら、その中でも外せない「カルテットらしさ」のようなものは、採用の際の1つの基準になっていると思います。

 

”OKR”で常に明確な目標を意識できる組織に

―業績が伸びている中、OKRを導入した理由を教えてください。

全社ではなく、Lisketを開発する開発部のみで、OKRを導入しました。

もともと開発部では、追いかけるべき数字が明確になっていないことが課題でした。先ほども申し上げた通り、Lisketは社内の業務を効率化するためのツールである一方で、社外の方に有料でお使いいただく商品でもあるという二面性があります。そのため、社内向けのKPIを設定すれば社外向けの開発が疎かになってしまうし、逆もまた然りで、全体を包括する開発部の目標が明確にできていませんでした。

社内でも開発部だけが目標を明確化できておらず、何とかできないかと考えている中、OKRに出会いました。OKRなら、会社の目標と開発部の目標、そして各メンバーの日々の活動がリンクするような目標管理ができるのではないか、そんな可能性を感じ、まずは開発部で使ってみようということになりました。

 

―OKRを導入する際にどのような工夫をしましたか?

まずはOKRについての認識を合わせるために全員に「OKR(日経BP社)」の本を購入して読んでもらいました。もともとメンバーも部の目標管理に課題意識を持っていましたので、OKRを導入することに反発はなく賛同してもらえました。OKRの設定や運用についても、手探りのうちから奇をてらっても仕方がないと考え、まずは本に書いてあるそのままの方法で実践してみました。

目標の設定の際にも、特に変わったことをしなくても、それまでメンバー全員が漠然と抱えていた課題感をOKRのフレームワークに沿って言語化していくことで、自然と納得のいくOKRが設定できました。

Objectivesについては、「日本一の」といったムーンショットを意識した表現を取り入れ、見返したときに全員が頑張ろう!と思える、メンバーを鼓舞できるようなフレーズにするようには工夫しました。

日々の運用の中では、どちらかと言えばObjectivesよりKey Resultsを意識することが多いです。月曜日の朝にチェックインミーティングをしているのですが、そこで「今週何をすべきか」を設定・共有しています。

 

―実際に導入してみて、OKRの感想をお聞かせください。

とても可能性を感じています。

これまで不明確だった目標を明確にできたこと、またそれを週一回のチェックインミーティングを通して全員が常に意識している状態を作れたことで、着実にマイルストーンを成し遂げられている実感があります。
もともと開発部はコミュニケーションがそれなりに活発な組織でしたが、OKRという共通言語を得たことでより一層活性化されたと実感しています。

運用は本のとおりに行うことでスタートしましたが、少しずつ改善を加えて、より自分たちに最適な形で活用していきたいと考えています。開発部で運用し実績を出していければ、ゆくゆくは全社での導入にもつなげていける可能性を感じています

 

「世界一効率的な代理店になる」最先端の開発環境

―最後に、開発部の今後の展望をお聞かせください。

開発部のミッションは、とにかくLisketをどんどん良いものにしていくことです。そのためにも一緒に開発してくれるエンジニアを求めています。

当社の経営ビジョンは「世界一効率的な代理店になる」です。開発部においても、無駄や不合理は可能な限り排除して、モダンな開発プロセスや最先端の技術を積極的に導入しています。

また、自社の広告運用者がLisketの一番のヘビーユーザーですので、ユーザーからの直接的なフィードバックがリアルタイムで得られるというのも、開発者にとっては魅力的なポイントだと思います。

残業が少ないことも当社の特徴の一つで、開発部の平均残業時間は多くても月5時間程度です。18時にはほとんどの人が帰ることができていますので、効率的な働き方ができ、エンジニアであればプライベートの時間で自分の技術を磨くといったこともしやすいと思います。

OKRの導入含め、最先端の開発環境の中で高度な課題に挑戦できる職場です。当社で腕を振るってみたいと思っていただけるエンジニアの皆さんからのご連絡をお待ちしております。

 

(プロフィール)

株式会社カルテットコミュニケーションズ 常務取締役CTO 金本 貴志氏

https://quartet-communications.com/

1984年生まれ。大学・大学院と情報科学を専攻後、2008年に富士通株式会社に入社、携帯電話端末のソフトウェア開発に従事。2012年より株式会社カルテットコミュニケーションズCTO。リスティング広告運用ツールサービス「Lisket」を立ち上げ、現在も開発・運営に注力している。ものを作ることと効率的合理的な価値観が好き。プログラミングやエンジニアリングに対する姿勢としては、どちらかというとアカデミックな視点よりも実利的な活用によって多くの人に価値を届けることに関心が強い。著書に「基本からしっかり学ぶSymfony2入門」(副著)。

 

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